1人だけユニフォームが違う?特別ポジション!守備の要「リベロ」について

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バレーボールの試合を見ていると、両チームのコート内にユニフォームの違う選手がいることで疑問を持ったことはありませんか?

これはリベロという守備専門のポジションで、中にいる後衛の選手と入れ替わり守備を固める役割を果たします。

バレーボールにはローテーションという、6人が全て前衛と後衛を回るルールがあります。そこで、攻撃専門で守備が苦手な選手が後ろへ回った時、守備を得意とする選手と交代させる「リベロ」というポジションが追加されました。

今回はリベロというポジションについて説明する中で、なぜユニフォームが違うのかを見ていきましょう。

まずはリベロが誕生したローテーションというルールを見ていきます。

ローテーションとは

小学生が行うジュニアバレーボールの試合ではフリーポジション制と言って、ポジションを固定し、前衛と後衛が自由に入れ替わることができます。

しかし、中学生以上の試合になると、ローテーション制というルールが加わります。相手チームからサービス権を得た時、ポジションを時計回りに1つ移動することをローテーションといいます。前衛ライトの選手が後ろへ下がり、後衛レフトの選手が前へ上がるということです。

プレーイメージ2

Pavel Danilyuk at Pexels

ローテーション制になると、後衛にいる3人の選手は、アタックラインより前で、ネット上でプレーすると違反になり、相手チームに点数が入ります。*

*正式には、アタックラインより前で、ネットより上からのプレーがルール違反となっていますが、アタックラインより前でジャンプし攻撃を行うことが違反であるというのが暗黙のルールになっています。つまりネットから手が出ていなくても、後衛選手がアタックラインを超えて攻撃を行うと違反になるということです。

ローテーションはただ時計回りに移動するのではなく、サーブを打った瞬間にポジションを移動します。レフトプレイヤーがライトにいる場合、味方がサーブを打った瞬間にレフトに戻るということです。

ローテーションで回っているのにセッターがライトにいるのは、サーブを打った瞬間ライトに戻っているからです。このように、ローテーションを行うことで6人全ての選手が前衛と後衛を回ることになります。

リベロについて

ローテーションのルールに加え、リベロというポジションが追加されました。コート内にいる後衛の選手に変わって守備を固める、守備専門のポジションです。攻撃はもちろん、アタックラインより前でジャンプすること事態が違反になります。

リベロは各チーム12人のうち2人設けることができ、2人で3人の選手と交代することができます。*

*1人でも3人。リベロというポジションは計3人の選手と交代することができます。
リベロは交代する選手が後衛にいるローテーションでその選手と入れ替わることができ、その選手が後衛である限り入ることができます。前衛の選手とは交代できません。

また、リベロが2人いてもコートに入れるのは原則1人です。ではどのようにリベロを起用していくのか見ていきましょう。

ミドルブロッカーと交代

フリーポジション制では、攻撃を得意とする選手や背の高い選手を前衛に、守備を得意とする選手を後衛に固定できますが、ローテーションでは全員が前衛と後衛を回ります。それぞれで得意なポジションがある中で、 苦手なローテーションの位置になると不利になります。

リベロの使い方として最も多いのが、前衛でブロックや攻撃を得意とするミドルブロッカー(センタープレイヤー)と入れ替える方法です。

プレーイメージ1

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ローテーションでは同じポジションの2人を対角に置く(ミドルの選手が下がるともう1人のミドルが前衛に上がる)というフォーメーションをとるチームがほとんどです。よってリベロをこの2人につけることで、安定して守備を固められるのです。

また、ミドルの選手は全ての攻撃をブロックしにいくので体力の消耗も激しく、後衛に回るとリベロと変わって休憩する意味を含む場合もあります。

レセプションとディグでの起用

2人のリベロを状況によって使い分ける方法です。相手がサーブを打つ場合はレセプション(サーブカット)が得意なリベロを入れ、味方がサーブを打つ場合はディグ(スパイクレシーブ)が得意な選手を入れる方法です。

これは、2017年から全日本女子バレーボールチームが行っている方法です。どちらかに特化したリベロがいる場合は、この方法をとることで守備が格段に安定します。

※原則コート内にリベロを2人入れることはできませんので、ラリー終了まではリベロ同士を交代させることはできません。

リベロのユニフォームだけ違うのはなぜ?

リベロイメージ

KeithJJ / Pixabay

バレーボールにはメンバーチェンジという選手を交代するルールがあり、1セットに6回まで交代することができます。

しかし、何度も入れ替わるリベロの選手交代はこの6回には入りません。ホイッスルを吹いて記録を取らずに、自由に入れ替わることができます。

ですので、入れ替わっているのがはっきりわかるように、正反対の色をしたユニフォームを着用しているのです。

ユニフォームが違う理由

リベロというポジションを見ていくと、選手同士の交代がとても多いことがわかります。

バレーボールではメンバーチェンジという選手交代でさえ一旦試合を止め、記録を残すことで違反がないかをチェックします。そこで、リベロのユニフォームを違うものにすることで、他の選手と区別をしているのです。

では、ユニフォームの違いとリベロの交代の仕組みを合わせて見ていきましょう。

リベロの交代

リベロ①②が交代する選手をA・Dとします。

[例1] リベロが1人の場合

リベロが1人の場合

Aアウト→①イン。3ローテー後、次に①がDと交代する場合、①アウト→Aイン。Dのサービス権が相手に渡るとDアウト→①インとなります。

[例2] レセプションとディグでの起用

相手サーブでは、Aアウト→①イン。

レセプションとディグでの起用

味方にサービス権が渡ると①アウト→②イン。相手にサービス権が渡ると再び②アウト→①イン。

レセプションとディグでの起用2

サービス権が味方に渡りAが前衛でDが後衛に回るローテーションでは、①アウト→Aイン。相手にサービス権が渡りDのサーブが終わると、Dアウト→①イン。

レセプションとディグでの起用3

このように、リベロとその入れ替わる選手とは激しい交代があります。これがリベロ1人または2人が3人の選手と入れ替わる方法をとっているチームでは、さらに激しくなります。

違反が起きないように区別するため

バレーボールによるメンバーチェンジは、1セットにつき6回という制限があります。ですがリベロは交代の回数に制限はなく、これに含まれません。言ってしまえばあまりにも激しく交代をするので、とても両チームの記録はとれないのです。

しかし、他の選手同士のメンバーチェンジの回数制限や、リベロが交代できる決められた選手、そしてリベロ同士の交代などルールが厳しく、違反をすると相手チームに点数が入ってしまいます。

それらの違反が起きないよう、わかりやすく区別をする為にリベロのユニフォームだけ違うカラーのものを着用することが決められました。

リベロのユニフォーム規定があるほど、それは重要視されているのです。

リベロのユニフォーム規定

リベロプレーヤーは、チームの他の選手とはっきり区別できる、対照的な色のユニフォーム(少なくともシャツだけは)を着用しなければなりません。

左右対称とか上下対称ということではなく、メインカラーが対象的なものではっきりと区別できるデザインであることが決められています。

まとめ

たくさんのルールの中で、回数制限のない交代を行うリベロは、他の選手と区別をするために、1人だけ違うユニフォームを着て試合を行うのです。

区別がはっきりしているので、とても目立つポジションでもあります。

リベロ用のユニフォームを作る際は、チームが着ているユニフォームと対象的なカラーで作成し、規定を守って作るよう気をつけなければいけません。

「ルールは分かったけど、1枚だけ作ると高いしな…。」という方、ご安心ください。バレーボールファクトリーズなら、1枚から新規オーダーメイドでバレーボールユニフォームが作れるので、リベロ用だけ1枚欲しい!というチームも安心です。

どんなデザインで作れるのか、一度覗いてみてはいかがでしょうか。

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